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フリーランス新法について

弁護士ブログ

フリーランス新法について

弁護士 藍原 貴子

令和5年4月に「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(フリーランス新法)が成立し、本年11月1日に施行される予定です。

フリーランスは、労働基準法が適用されず、取引上弱い立場に置かれることがあるため、フリーランスが安定的に業務に従事できる環境を整備することを目的としています。同法上、保護の対象となる「フリーランス」とは、個人や一人社長の法人で、従業員を雇用している場合や、複数の役員がいる法人は適用外となります。

同法の取引適正化に関する規定の主な内容は以下のとおりです。

  1. 業務委託時に給付の内容、報酬額、支払期日等を書面又は電磁的方法により明示しなければなりません。これまで口頭で取引をしていた場合は注意が必要です。
  2. 業務提供を完了した日から60日以内に報酬を支払わなければなりません。
  3. 理由なく受領拒否、報酬減額、返品すること、通常相場に比べて著しく低い報酬の額を不当に定めることなど、いくつかの定められた禁止事項を遵守しなければなりません。

そのほか、フリーランスの就業環境の整備として、育児介護等についての配慮やハラスメント対策、中途解約の場合の事前予告義務などについても規定されています。同法に違反した場合には、公正取引委員会などから検査や命令を受けることがあり、50万円以下の罰金に処せられるという罰則規定もあります。フリーランスとの取引を行う企業は、業務委託契約書や募集内容の見直し、修正を行っておくことが望ましいです。

時代の流れとともに副業・兼業も含めてフリーランス人口は年々増加しており、柔軟な働き方の実現が求められるようになっていますので、今後フリーランスとの契約も増加することが予想されます。動向をチェックしながら、柔軟かつ適切な対応が必要となるでしょう。


弁護士 藍原 貴子

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